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2014年8月30日 (土)

8.31アイスリボン後楽園大会について

来る8月31日、後楽園ホールにて行われるアイスリボンのセミファイナルについて、ちょっと考えてみたい。
カードは、藤本つかさ vs ダンプ松本。
表面的には、アイスリボンのエースが、昭和のレジェンドに挑む図式。
しかしこのカードの裏には、石岡で行われた興行でダンプが発したとされる、台詞をめぐる因縁が存在する。

    「アイスリボンにセミ、メインは無理」

この大会は地方のプロモーター主催で、フリーを含め複数団体から選手が集められていた。
そして諸事情により当日になってカード変更の必要が生じ、その際に発せられたのがこの台詞だとされている。
実際にはこれを言ったのは別の選手だとする声もあるが、とにかくその場にダンプがいて、実際にメインを務めたのも彼女だった。

これに藤本つかさは怒りと悲しみを抱き、年に二回の後楽園という大舞台で、ダンプの認識を変えさせるべく挑む。
なぜなら試合を組まない限り、ダンプがアイスリボンの会場に足を運ぶことなどないからだ。

アイスリボン側としては、ろくに動けなくなったような化石に言われて悔しいだろうし、見返してやりたい気持ちも強いだろう。
選手もファンも、エースつっか自身の戦いで、あるいはその後のメインの試合で認識を変えさせる、そう息巻く気持ちはよく分かる。

でもここはあえて、ダンプ側からの視点で考えてみる。

そもそも女子プロレスは、その黎明期にはお色気ショーであって、格闘技とはみなされていなかった。
全女の成立によりそれが徐々にスポーツの方向に変えられ、ビューティーペアのようなスターも生まれた。
でもプロレス界においては、それでもまだ女子は色物でしかないという扱いであった。
その認識を変えさせたのがクラッシュギャルズと、その対角に立っていたダンプ率いる極悪同盟だったのだ。
30年前、世間や男子プロレス団体、あるいはプロレスマスコミに喧嘩を売り、身体を張ってその認識を変えさせた当事者なのである。

自分自身、クラッシュ登場以前の女子プロレスはほとんど見ていない。
世界のプロレスで当時のWWFに出た彼女らを見て、初めて認識を改めたのが事実である。
私と同世代のプロレスファンには、似たような体験をした人がそれなりにいるのではないだろうか。

ダンプはかつての自分自身が浴びた偏見、そしてそれを克服した経験を背に、同じ試練をアイスリボンに課しているのかもしれない。
それを押し返す覚悟を見せることが出来たら、きっとダンプは……。


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