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2014年1月 5日 (日)

賛否両論? イッテンヨン

オイラみたいなプロレス好きにとって、正月とはすなわちイッテンヨン。
新日本プロレスの東京ドーム大会なのです。
今年は近場でライブビューイング(以下、LV)が見れるので、ちょいと足を運んでみました。
映像的には、スカパーのPPVをそのままスクリーンに映しているみたいですな。
昨年は有料ニコ生での観戦だったんだけど、地方民にも見れる選択肢が増えるのは良い事です。
ただし、それぞれに一長一短はあるわけで。

ニコ生の利点は、無料事前番組アリで、ダークマッチから終了まで見れて前売りだとお料金もオトク。
コメントのやり取りができるのも、みんなで観戦している雰囲気を作り出してくれる。
ただし著作権上の問題で入場曲の大半が流せず、その間は実況解説も含めて無音になるのが痛い。

LVの利点は、何よりもまず大スクリーンと大音響で楽しめる事。
場内でも拍手や声援がOKなので、かなり臨場感は高いですよ。
マイナス点はその分だけ料金がお高めなのと、ダークマッチが見れず、時間が大幅に押した場合には最後まで見れない可能性がある事。
実際に今回は、試合はギリギリ尺に収まったけど、その後のパフォーマンスの途中で切れちゃったのがどうもね。

というわけで今回の賛否の第一は、興行の尺の問題。
開始から5時間超、ダークマッチまで入れたら6時間近いという長さ。
PPVやLVだって金払って見てるのは一緒なのに、ダークマッチや興行のシメが見れないのはもう最悪ですよ。
実際今回は演出も良く、試合の質が高かったのは事実。
でもそれで時間が押しまくった事は、大きなマイナス点だと思うのです。
今年は昨年に比してビッグマッチの回数も増え、おそらくG1決勝などはLVもあるでしょう。
なればこそ、興行の時間配分をもっと厳密に計算し、終わり時間厳守でお願いしたい。
今年のG1決勝は西武ドームとの事ですが、現地から帰れない人続出だと洒落にもなりません。
LV組も表彰式や次への流れのやり取りが見れない可能性を考えると、二の足を踏むんじゃないですか?
観客動員を伸ばすことを考えるなら、終わり時間厳守は絶対に考慮してもらいたい。
そこから逆算で試合数を絞る事も、今後の重要な課題だと思うのです。
ビッグマッチといえど、一興行で10(+1)試合は多すぎるんじゃないですかね。
やっぱり最大でも8試合程度が適正じゃないかと、そう思うのですよ。
でなければ開始を早めて、もう2試合ほどダークに回すって方法もありますし、是非ご一考を願いたいです。

そんな事はともかく! 肝心の試合について。
ほとんどの試合はデスね、もう期待通りのクオリティで文句のつけようがありません。
その中で賛否を問いたいのが、タッグマッチでグレイシー起用の是非と、ダブルメインの試合順がアレで本当に良かったのかの二点でしょうか。

まず永田&桜庭vsホーレス&ダニエル・グレイシーのタッグマッチについて。
意外だったのは、グレイシー側がどうにかこうにかタッグルールに順応しようとしていた事。
でも自分的に反則決着自体は、予想の範囲内でした。
道着を使ってのチョークは、グレイシー柔術では基本戦術でも、プロレスでは反則ですからね。
その後のもう一回勝負だって流れも含めて、まあ完全に読めていた感じです。
どうせなら次回はMMAルールじゃなくて、プロレスのノーDQルールにするか、公認凶器持込デスマッチでどうですかね。
グレイシー側は道着を使い放題にして、その代わりプロレス側も凶器を使えば良いんですよ。
本物のノールールの恐ろしさを、たっぷり教えてあげましょう。

続いてメインの試合順について、正直に言えばどっちでも良かったとは思います。
でもあの試合順に投票で決まったと云う事については、ちゃんと過去の経験の反映があるんじゃないでしょうか。
新日が暗黒時代に突入したあの頃、業界のトップはNOAHでしたよね。
そしてそのNOAHのドーム大会で、散々セミまででハードルが上がった中、メインのGHCヘビー級選手権でため息をついた記憶がありませんか?
当時のGHCヘビー級王者は力皇、そして挑戦者は棚橋でした。
棚橋は直前に腰を痛めていて動きに精彩がない事は明らか、そして王者の力皇は不器用なため試合展開に柔軟性がありません。
結果として試合はスイングせず、散々な評価を受けたわけです。
だからこそ、今回のドームは棚橋と中邑がメインでなければいけなかった。
王者のオカダは問題ないとしても、今の内藤では前の試合で上がったハードルを超えられない、そう考えたファンが多かったんだと思います。

結果的にですが、両試合の評価は逆転したように思えます。
でもそれはこの試合順に決まった事で、若い二人が奮起した結果じゃないんでしょうかね。
順当にIWGPヘビーをメインに据えていたら、ここまでの試合を見せてくれたかどうか疑問です。
そう考えれば、結果的にこの試合順で正解だったんですよ。

最後に中邑の入場演出について。
ポールダンサーの起用を下品だという声がありますが、それは物事の本質が見えていないんじゃないでしょうか。
棚橋は老若男女・万人から愛される、つまりは全年齢対象のヒーロー。
なればこそ、その対角に立つ中邑は大人のイカガワシサ全開であろうとした。
だから煽りVの舞台を薄暗いバーにし、ラスベガスの雰囲気溢れるポールダンサーを従えた。
R-15の裕二郎が連れている水着女性なんて、それこそ高校生レベルの表面的なエロさでしかない。
中邑はそれをはるかに超えるX指定の夜の大人として、棚橋の対角に立ったんですよ。

もう一つ、中邑の試合用コスチュームですが、アレは本郷ライダーだったんじゃないでしょうか。
仮面ライダー1号と呼ばれる以前の、1クール目の怪奇アクションとしての仮面ライダー。
闇の中で黒いレザーのコスチュームと赤いマフラーだけの、あのシンプルなカッコ良さを想起しました。
それもまた平成ライダーをこよなく愛する棚橋との、対極足らんとしてではなかったのかと。


リンク: 01/04(土) 17:00 東京・東京ドーム|バディファイトPresents WRESTLE KINGDOM 8 in 東京ドーム|大会結果一覧|Match Information|新日本プロレスリング.

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