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2008年5月25日 (日)

第20回CGアニメコンテスト入選作品の感想

大阪上映会も終わったことですので、そろそろ第20回CGアニメコンテスト入選作品の感想を書きます。
前回も「これはあくまで感想であって、評論ではない」と書いたんですが、ちゃんと読んでない方から、時期ハズレに異次元感覚のご意見を頂戴しております。
オイラはあくまで一観客であって、偉そうにふんぞり返ってるような評論家のセンセイじゃございませんので、そこんとこ一つ『た~の~む~よ~』(スケルトンTV風に)ってことで。
例によりまして、作者の敬称は省略させていただいております。

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■入選

*『扉』:山崎伸浩

●まず、とにかく画が綺麗。
素材集なんかも上手に使ってるんだとは思うけど、ソフトの機能をちゃんと使いこなしている印象です。
看板の文字とか、細かいところも行き届いているし、全体に巧いですね。
作品内容はややありがちながら、訴えたい内容が素直に伝わる作りには好感が持てました。
技量のある方だと思いますので、別傾向の作品も見てみたい気がします。

*DEVOUR DINNER~肉編-Meat version~:水江未来

●昨年の「LOST UTOPIA」の人。
前回は「嫌いではない」とコメントしましたが、同じ芸風で2作3作と見せられると、さすがに辟易します。
しかもコンテストではショート作品のオムニバスを全部繋げてあったので、余計にお腹一杯な感じ。
本人の細胞モチーフへの拘りは解りますが、個人的にはもう結構ですというところですね。

*星に願いを:安芸ゆうり

●昨年の初心者部門賞から、今年は入選にステップアップ。
DoGA-Lシリーズでの本選入選は、実に9年ぶりの快挙だとか。
緻密に作りこまれた背景と叙情的な作風が売りですが、人物表現に関してだけは、さすがにツールの限界を感じました。
絵面の問題で少々損をしていますが、内容はヒューマニズム溢れるお話で、ストーリーの組立ても上々だと思います。
例えば背景をLシリーズで作画して、人物を他のツールで作ってコンポジットするとか、そういったアプローチの検討が今後は必要なのかもしれません。

*黒こぐまと森のせんろ:タナカウサギ

●コンテスト常連と言っても良い、タナカ氏のかわいい動物を主役とした作品。
ストーリーらしきものは余りありませんが、とにかく造形とモーションが見事に可愛さを演出しています。
続編のゾンビベアがどんな作品になるのか、非常に興味深いですね。

*世界一の花火:Fruit Lab.

●詩にイラストと音楽を合わせた、とても綺麗な作品。
ただ、やはりこれをアニメーションと呼んでいいのかどうかは、ちょっと頭をひねります。
作品の方向性が、ややコンテストに合っていなかったのは残念ですね。
でも映像作品というくくりで見るならば、非常に優れた作品だと思います。

*アースウォード:大和 秀夫

●動きの良い剣戟アクション、ただしストーリーは未完。
モデリングはやや荒削りですが、モーションはかなり良いと思います。
まるで週刊少年ジャンプの打ち切り作品のような終わり方が、ある意味逆にインパクトになっているので、続きが出来たらどうなるのか、ちょっと微妙な気もします。

*flower:小山 和希

●粘土アニメのような質感の、メルヘンチックな作品。
テーマ自体はありがちかもしれませんが、丁寧にそつなくまとめ上げた印象です。
また違ったアプローチの作品も、見てみたいと思います。

*mama & marmalade & me:山下 順平、水野 由梨

●これもメルヘンチックな、2D系作品。
ちょっと尺が長くて冗長だと言う人もいましたが、私は結構OKでした。
影絵調の表現が上手くはまった印象があります。

*アメリカ大統領アメリちゃん:AHOBOY☆ヒロシ

●前作スペード5シリーズもバカ(褒め言葉)でしたが、これもとんでもない大バカ(褒め言葉)作品です。
これは言葉で語るものじゃなくて、見て感じるものですので内容には言及しません。
言うまでもなく、今回の中では個人的エンタメ大賞作品。
東京での会場特別賞をぶっちぎりで持っていったのも、当然の結果でしょう。

*溺れる女:ぴろぴと(+水形)

●不快な音と怪しい画像を畳み掛ける、2D作品。
見る人によっては、精神的ブラクラと言ってもよいのでは。
独特のセンスは感じますが、個人的に二度見たいとは思いません。

*卵殻内明晰夢:ハイドラストローク

●シュールレアリスティックな、ファンタジー系作品。
押井守の作品に影響を受けているのだそうで、言われるとなるほどという感じ。
造形や映像演出は、かなり綺麗だと思います。

*雲の人 雨の人:上甲トモヨシ

●絵本チックな2D作品。
内容はもう一つピンと来ませんでしたが、作画力はかなりあると思います。
とにかくこなした枚数が凄いな、と。

*Abnormal Weather:hinotori

●過去に「Bio Trick」でも入選した人の作品です。
かわいい動物のキャラクターに、ちょっとブラックなテイストがベストマッチ。
短い尺でも見るものを魅了できる技量は、さすがだと感じます。
また笑える作品を見せて欲しいですね。

*Jack in the Box:増田 智美

●今回の3Dキャラクタ賞受賞作品。
内容はちょっと分かりにくいところもありますが、さすがにキャラ造形はすばらしいです。
かわいらしいキャラクターと、ほのぼのとした作風は見てて和みますね。
また違った内容の作品を見てみたい、と思わせるところがあります。

*彼らは、:伊藤公規

●劇画調の2Dキャラクターと、3Dのハイブリッド。
一部シーンでレイアウト設定などにやや難が見られますが、画力はかなりのものだと思います。
重い作風は好みではありませんが、この絵が生かせるシナリオと合わせると、凄いものが作れる可能性があると思います。

■佳作

*HOW TO COOK BREAKFAST?:山崎涼子

●欧州テイストの、2D作品。
擬人化された家庭用品たちが、とてもかわいいです。
なんとなくゲルマン語族に聞こえる謎言語のナレーションが、またいい味を出してて良いです。
尺も長すぎず、ちょうど良い感じ。

*Paper Play:山口 翔
*trip:山口 翔

●3D/2Dアニメと実写のコンポジット作品。
とにかく合成が上手くて、違和感がないのが素晴らしい。
「trip」の方は、手間のかかるロトスコープ技法まで使ってて、しかもそれが良い効果を出しているのが凄い。
演出や編集もかなりのレベルです。
それぞれネタ自体はありがちなのに、それを感じさせないほど単純に楽しい。
素直に、次回作にも期待したいです。

*まひる・ぷれでぃくしょん:ぽよ

●今回の萌え担当。
キャラ造形・モーションともかなりの高レベル。
ストーリー的にも、難しいガジェットを上手く使いこなしている印象です。
ただ唯一の難点は、作品全体のテンポが悪いこと。
モーションがゆっくり目の長いカットが多く、緩急がついていないのが惜しい。
やりたいことを全部やったが故に、あるいは見せたいところが多すぎるが故になのでしょうが、結果的に冗長さが目立ちます。
早く動く短いカットを上手く交えたり、あるいは大胆な省略を行って、視聴者に想像させる余地があっても良いのでは。
それらの手法で全体の尺を詰められれば、もっと良くなると思います。

■入賞

*パペと少年:KELLOW☆UP DATE FILM

●東欧の人形アニメっぽいテイストの作品。
この作品の凄いところは、長い尺をワンカットで処理しているところ。
そうでありながら作品のテンポもよく、見てて飽きさせません。
それにしてもモーションとか、どうやって編集したんでしょうか。

*Ascension:田島 清美

●インディー系バンド曲のPV作品。
作者の方は専門学校の講師の方だそうですが、教材用の短い素材映像以外の、まとまった作品はこれが初めてだとか。
登場人物全員が全裸なんですが、あえてローポリでカクカク状態にしてあるので、全然エロさがありません。
絵と曲のシンクロも良いし、曲の世界観を上手く視覚化してイメージを広げた作りは見事です。

■初心者部門賞

*camouflage:石川 藍

●これはCGならではの映像トリックとでも言うんでしょうか。
演出手法も上手いし、造形も見事でした。
次回作に期待させますね。

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なんて言うんですかね、例年だと、

 「うおお、こんなすごい作品をオイラも作りたいぜー!!」

とか、

 「何だよ、これならオイラでも勝てるんじゃね?」

とか感じて、創作意欲に火がつくんです。

それがね、今年はどっちでもない。
オイラのハートに火がつかない。
これってオイラの情熱が枯れちゃったの?
それとも……う~~~~~ん。

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