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2006年5月 7日 (日)

第18回CGアニメコンテスト入選作品上映会雑感

えー、強行軍日程で第18回CGアニメコンテスト入選作品上映会に行ってきました。
以下、個人的な雑感を述べますが、あくまで私の趣味に合ったかどうか、が基準です。
また、作者名は敬称を略させていただいてます。
作者及び関係者の皆様、失礼があってもご容赦ください。抗議は一切受け付けません。

◆入選◆
●ふりっじす(タナベフジオ)
3Dでトゥーンシェーディング系の作品。サイレントで動きだけで見せてるんだけど、じんわりと面白いコメディーかな。キャラの造形とかは作品とマッチしてて良い。ただ内容に比して、ちょっと尺が長すぎるような気がする。もう少し短く、テンポ良くなってればもっと良かったかと。

●ルール(かみや ろん)
2D系、4コマギャグマンガ3本分。同系ネタ3本だからこそ面白いとも言えるが、まだハジケ足りない感じ。絵はかなり上手いので、もっと切れのあるネタでまた作って欲しい。

●通勤大戦争・装脚戦車の憂鬱(塚原 重義)
2D3D併用のFlash作品。昨年「ウシガエル」で入選した人の新作2本。基本的にスチームパンク的な世界観は同一で、はっちゃけっぷりは昨年のほうが上か。WW2ミリタリー好きの人なら、2本目の戦車物はツボかと。1本目はネタかぶりがあったらしいが、それを引いても今ひとつピンと来なかった。

●the camelots 『コリー』(椙本 晃佑)
友人のバンドの曲に合わせて作った、2DのいわゆるPVアニメ。曲先の作画なので、動きのマッチングはいいが、いかんせんストーリー性も皆無なら、ギャグもないわけで。絵がめちゃくちゃ上手いわけでもなければ、曲が特に良い訳でもないので、評価のしようがない。

●「春」(西 あすか)
2Dの少女漫画ラブコメ系作品。あえて主人公のみ台詞がない、という手法は斬新。救いのないオチも結構笑えた。上手くまとまった良作だと思う。まだ若い娘だし、将来的にもっと伸びると思うので、マイペースで創作を続けていって欲しいかな。

●クロと僕とダンスを(杉浦 裕次郎)
3Dモノクロ作品。画力がないので、シンプルな幾何学的オブジェクトだけでキャラを表現した、という手法は大正解。ただし、その分演出やストーリーが良くないと評価されにくいわけで、その点ではまだまだの感がある。結果、総合的な評価も低くならざるを得ないか。カット数等も整理して、もっとテンポよく仕上げられたのでは。

●反重力ブーツで学校に行こう(スタジオぽぷり)
昨年「全知全能四次元ちゃん」で入選した人の新作。2D系どたばたギャグ作品。とにかく動きが良いし、テンポが良い。はっきり言って上手い絵ではないが、味があるし作風には合っている。ギャグも昨年ほどの破壊力はないが、かなり面白い。また次回作が見たいと思わせる一人だ。

●将棋アワー(青木 純)
昨年「走れ!」で佳作、「Apartment」で入選した人の新作。2D系ギャグ作品。某公共放送の番組のパロディなのだが、ほとんど見た事のない私にも似ていると判る上手さ。ギャグそのものはベタ過ぎて新奇性も何もないのに、それが番組の枯れたムードと絶妙にマッチしている。とにかく笑えた。東京会場では会場審査特別賞堂々の第1位も納得。

●星宿海(丸山 薫)
2D系中華ファンタジー。この人はグラフィック賞も獲っているが、とにかく絵が上手い。この作品は尺も短く、ストーリー面も弱いものの、非常に雰囲気が良い。今後どんな作品を作るのか、結構期待させるものがある。

●バブルス(512kb)
2D3D併用Flash作品。元ネタが猿蟹合戦だと気付くのに、時間がかかった。全体にぬるい出来で、全てに物足りない。このコンテストでは同ネタで、過去に宍戸氏の凄まじい名作があることを知らないんだろうなぁ。まあ、アレと比べること自体大間違いだとは思うけど。

◆休憩1.5◆
某放送事故部門ですが、年々レベル下がってきてないですか?来年、何か作っていこうかな。

◆初心者部門◆
低調の一語。Lギャラリーからの一本釣り作品が多すぎ。それすなわち、応募作のレベルが低すぎるということだろう。この部門の先輩としては、もっと爆発的なギャグを作って欲しいと、切に願うばかりだ。

◆佳作◆

●魔法の椅子(入地 有海)
2D系西洋ファンタジー童話。癖の強い絵柄だが、トータルした画面の雰囲気が凄く良いし、内容とはよくマッチしている。ストーリーも上手くまとまっているし、強いて難をあげれば動きがやや乏しいことか。

●FLY(児玉 徹郎)
昨年「MY HOME」でグランプリ受賞した人の作品。3Dトゥーンシェーディング。元がイベントオープニングということで、非常に短い。上手い人なので、何となくもったいない。もうちょっと長い作品を見たい。

●花の翳(吉田 暁)
2D和風耽美Flash。実に女性らしい作風で、昔の創作系同人誌を髣髴とさせる作品。とにかく絵はめっちゃ上手い。これでもうちょっと編集とかが上手ければ。

◆作品賞◆

●パパが必要なの(チャン・ヒョンユン)
韓国から応募の2Dジブリ系ちょい昔風ファンタジー。CGアニメも韓流ブームですか?ストーリーラインにそういう流れが垣間見えるような。日本人はまずこういう風には描かないし、作らないと思う。

◆映像賞◆

●モンスターブーツ(メテオール)
常連中の大常連、秋葉原を本拠とするバンド・メテオールのPV(?)作品。期待を裏切らない、独特の雰囲気が最高。もう、このまま「みんなのうた」に使いましょうよ。本当に。

◆グラフィック賞◆

●吉野の姫(丸山 薫)
2D和風ファンタジー。入選の「星宿海」もそうだが、絵も上手いし、キャラもかわいいし、ストーリーもありがちだが良くまとまってる。強いて欠点を挙げても、作品の内容的に動きがやや乏しいこと、意表をつくような新規性がないことくらい。また別の、もっと動きがある作品も見てみたい。

◆番外・外伝大賞◆

●スペード5・2(アホボーイ☆ヒロシ)
3D馬鹿アニメ。前作も馬鹿だったが、これももう大馬鹿。一生この芸風で突っ走ってて欲しいです。

個人的な総評としては、良く言えば上手くまとまった、悪く言えば欠点が少ない代わりに小粒な作品が中心で、破壊力のある作品が乏しかったように思います。
2D作品が目立ち、かつての8mmフィルムを使った紙アニメっぽい作品が多かったですね。
3D勢はもっと頑張れ、……いや俺が頑張れ。
正直な感想として、今回のレベルなら頑張れば食い込めたような気がするんだよね。
例年なら、ものすごい作品を前に打ちのめされて終わるんだけど。
今までとは別の意味で、創作意欲を高められた上映会でした。

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コメント

大阪すら行けていない自分としてはDoGAサイトで拝見したいのですが
とにかく重たくて見てられません><
Lギャラもかなり重たくなっているし、動画はDLしてからでないと
見ることが出来ませんね
でも作風、内容などあまりそそるのが有りませんでしたので
落着いてから拝見しようかなと思っています

投稿: KITA | 2006年5月 9日 (火) 12時52分

>KITAさん
受賞作を全部見るには、DVD買わないと。
DoGAのサイトにはサンプル程度しかないはずですよ。
作品によっては、作者の人のサイトでも見れるとは思いますが。

投稿: ぱりだかのりひこ | 2006年5月 9日 (火) 14時56分

こんばんわです。会場では見つけられなかったですが、オイラも行っておりました。

オイラ的には「パパが~」がベストでした。よくは知らないですが、東アジアの映画ってああいう主人公の一人語り的な手法よく使う感じがします。
あと「反重力~」と「吉野の姫」あたりは繰り返し見てます。

外伝大賞は、素人目にはアラが見つからない感じですね。学歴ネタを引っ張りすぎたかなあってくらいで。あとは「これに賞やったらネタ的にヤヴァいだろ」くらいの理由しか思いつかないw衣○の写真勝手に使っちゃってるしな。

投稿: yamazakura | 2006年5月10日 (水) 01時44分

「パパが~」については、指摘の面はあるかもですね。
汚れた日本人ヲタクには、作れない作品ですなぁw
「反重力~」は昔の自主製作アニメのテイスト満載だし、「吉野の姫」は女性らしい感性が出てて、いずれも今回の中では良かったです。
外伝大賞は、投げやりっぽく見えるモデリングも味のうちになってるんで、もうズルイとしか。
●笠はマズイよなぁ、やっぱりw

投稿: ぱりだかのりひこ | 2006年5月10日 (水) 08時52分

そうそう、汚れたというかオタクの趣味志向って似通っちゃいますから、たとえば外国人のような違った環境にいる人が作った作品って新鮮だと思うんですよ。
「コリー」は荒削りだけど、オタク臭さを感じなかったのでそういう意味では新しい感性を吹き込ませたものだったかなあと。
あと外伝大賞の作品は麻雀マンの人とか参加してるのね。そりゃハチャメチャになるはずだよw

投稿: yamazakura | 2006年5月11日 (木) 00時45分

韓国のアレ、国からン百万の助成を貰って作ったらしいよ。
それって、反則ちゃう?

コリーに関しては、10年位前はああいうMTV系作品って、
それなりにあったんだよね。
だから、懐かしいとは思ったけど、新しいとは思わなかった。
外伝大賞は、ギャグの王道「最高の技術で最低のネタ」を、
まさに体現してますなw

投稿: ぱりだかのりひこ | 2006年5月12日 (金) 09時31分

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